不動産市況 2018/12/03

賃料上昇が止まらないオフィスビル、そのスペースの賃料はいくら?~オフィスの収納を考える①〜

今回から3回にわたって、オフィスにおける収納について書いてみたいと思います。今回はその第1回目、「その場所の賃料はいくらか?」 について考えてみます。

 

下がる空室率と上がる賃料

東京都心のオフィスビルの空室率は2%台で推移しており、かなり低水準が続いています。大阪のオフィスエリアの空室率も同様に2%台ということです。 

上図のように、2013年頃から空室率低下が続き、下落基調はまだ続きそうです。最新データでは2.3%程度でこのままのペースですと1%台も見えてきています。2018年は大型ビルの竣工が相次ぎ、これらのビルの計画が持ち上がった時には「空室率が上がるかも」と言われた事もありましたが、そんな状況は全く起こりませんでした。都心一等地に多くのビルを所有する企業の営業担当者は、「貸すフロアがなくて、とてもヒマです。と笑っていました。

 

それに伴い、賃料も大幅にアップしてきており、エリアによっては2013年頃に比べて坪単価1.5倍ということも珍しくないようです。最近竣工の銀座のあるSクラスビルでは坪単価が5.5万~6万円という事を聞きました。一般的なオフィスビルの個室とトイレがだいたい0.5坪ですので、その部分だけの賃料は3万円近くになります。

 

 

 上の図は、都心5区のオフィス賃料のグラフです。賃料は2014年頃から上昇しています。賃料は不動産市況の波に遅れて変化します(遅効性があると言います)。最新データでは坪単価が20,438円となっており、2014年の底だった値が16,207円でしたので、約1.26倍となっています。

 

オフィスビル需要はなぜ高まるのか?

近年、政府は、多様な働き方を推進しています。

在宅勤務、サテライトオフィス、などというワークスタイルで都市部にあるオフィスに出社しなくても、自宅や別のスペースで働くなどといった、ワークライフバランスの推奨です。

こういうスタイルがしだいに増えていますが、しかし企業はそれ以上のペースで採用を進めており、とくに業績好調の企業は、オフィスの増床を進めています。また、空きオフィスが出るとすぐには使わないけれども、賃料を払っておき、「キープ」するということも珍しくないようです。2013年からの好景気は、はや6年を過ぎこの勢いはしばらく続きそうです。

こうしたオフィス需要の高まりから、「希望するエリア」に「想定する賃料」でのオフィスがない、という状況になっています。そのため、「しばらく移転を待とう」や「増床はもう少し先」 とあきらめムードもあるようです。

 

従業員1人当たりのオフィス賃料

上の図は従業員1人当たりのオフィス面積と賃料を示したものです。

最新データでは1人当たりのオフィス面積は3.85坪で、坪単価の平均が20,438円です。

これらを掛け合わせることで単純計算になりますが、1人あたりのオフィス賃料が算出できます。3.85×20438円=78,686円となります。東京23区の平均的なワンルームの賃料と同じ水準です。

 

高い賃料のオフィスでは、宅配型トランクルームが有効

オフィス内にどれくらいの収納スペースを取っているのかは企業により異なっていると思いますが、かなりのスペースをとっていると思います。収納スペースに入れてあるものには、いつも使うもの、時々使うもの、基本的には使わないけれど保存しているものなどが混合していると思います。

これまでに述べたように、現在のオフィス賃料高騰の状況下では、ちょっとしたスペースも有効に使いたいものです。特に、先に述べた「基本的には使わないけれど保存しているもの」などは、高い賃料のオフィスに置いておく必要はないと思います。こうした時に有効なのが、エアトランク社が提供しているような「配送無料の宅配型のトランクルーム」の活用です。

ざっくりとした計算ですが、概ね坪単価25,000円以上であれば、オフィスの荷物をエアトランクに預けて、その空間を机の確保や、社内テーブルの確保などで利用する方が効率的であると思います。(詳細については次回以降で述べます)

「使わないものをトランクルームに預けておいて、必要な時には届けてもらう。」 こうしたサービスを使い、高い賃料のオフィスを有効に使いたいものです。

 

 

吉崎誠二
吉崎 誠二 yoshizaki seiji
不動産エコノミスト
不動産エコノミスト 社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長 早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。 立教大学大学院 博士前期課程修了。 ㈱船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者 、(株)ディーサイン不動産研究所 所長 を経て 現職。不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。   著書:「データで読み解く 賃貸住宅経営の極意」 (芙蓉書房出版社) 「大激変 2020年の住宅・不動産市場」(朝日新聞出版)「消費マンションを買う人、資産マンションを選べる人」(青春新書)等10冊。多数の媒体に連載を持つ 公式サイト http://yoshizakiseiji.com/
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