不動産市況 2018/08/23

会社近くに住むと便利だが家賃が高い、そのマル秘解決策は?

住宅手当の概要

首都圏など都市部にある企業の場合、家賃補助(住宅手当)を出している会社が多いようです。

家賃補助も住宅手当もその中身は同じで、賃貸住宅を借りている社員への家賃の一部を企業が負担する仕組みです。年齢が〇〇歳まで、入社〇年目まで等、いつまでもというわけでもなく、制限を設けている企業が多いようです。また、たいていの場合、実家から通う方や、制限に達してなくても自宅を購入した方などには支給されない企業が多いようです。

 

会社指示による転勤に伴う住居手当は、これに該当しません。意味合いとすれば、年収の低い間は、月給のうち住居費の支払いウエイトが高いだろうから、それを補助する意味合いが強いと思います。

また、採用時のひきつけ効果を狙っている企業もあります。大企業の中には社宅を所有する企業も多く、中堅ベンチャー企業等積極的に新卒採用を行っている会社等が、学生を引き付けるために、福利厚生の一環として住宅手当を出しているわけです。こうした会社が増えて、いまでは当たり前の手当のようになってきました。

 

では、どれくらいの金額が支給されるのでしょうか?

数千円の企業もあれば、数万円の企業もあります。あるいは、家賃の〇割、ただし上限〇万円というパターンもあります。また東京近郊と関西では金額を変えている企業もあるようです。

首都圏の企業では、1~2万円くらい、あるいは家賃の2割上限2万円という状況が一般的なようです。

ちなみに、一般的に家賃補助及び住宅手当は、給与に含まれて支給されます。その為、他の諸手当と同様に課税の対象となります。

 

会社の近くに住むことを奨励

最近では、会社の近くに住むことを奨励する企業が増えています。IT系(もう、古い言葉ですね)等の、急成長しているベンチャー企業で多く見られるようです。

どれくらいからが近くか?というと、企業によって様々なようですが、会社から2KM以内、勤務地から2駅(あるいは3駅)以内等々です。

こうした勢いある企業の多くは、山手線の内側エリアにオフィスを構えています。渋谷、新宿、六本木、赤坂・・といったあたりです。

いまさらいうまでもありませんが、こうしたエリアの近くは家賃が高いエリアになっています。あるいは、同じ家賃なら狭い部屋しか借りれないという状況です。 この状況を鑑みて、こうした企業では、会社の指定する圏内に居住すれば、家賃補助を上乗せするという仕組みを導入しています。先に述べた金額に+1万~1.5万円といった感じです。

通勤のストレスから解放されて、思いっきり仕事ができる、あるいは緊急の時すぐに会社に行ける、など働く側も、雇う側にもメリットがある職住接近ですが、問題は家賃が高いことです。

 

都心の賃貸住宅家賃は高い

(図表)渋谷駅から3駅以内の駅の賃料相場(ワンルーム・1K・1DK)

上の図表は渋谷駅から各線3駅の賃貸住宅の家賃相場をしめしたものです。渋谷を中心に上下線3駅となっています。駅間が長い湘南新宿ライン(埼京線)は、近所という感じではないので、見なくていいと思います。この中で、若手のサラリーマンが住みそうな場所といえば、東横線の代官山~祐天寺、田園都市線の池尻大橋~駒沢大学あたりのようなイメージですが、どれもワンルーム、1Kにしてはかなりの高額家賃です。このエリアで、10万円以内で借りようとすれば25㎡くらいの広さなのかもしれません。

 

トランクルームの活用

会社近くに住む、職住接近の流れは加速すると思います。

近距離奨励金というイメージの家賃補助上乗せに加えて、さらに収納手当をつけることを検討する企業も出始めています。 「もう一歩踏み込んだ形で、社員の快適な暮らしのサポートする」 この姿勢を示すことで、採用にも既存社員の満足度にもエッジが立つのでないでしょうか?

部屋の荷物が少なくなれば、狭い部屋でも広く使えます。エアトランクのような宅配型ですと、わざわざトランクルームまで行く必要もありませんし、希望の時間に授受できます。また、会社名義で借りて、社員が利用すると会社の経費でまかなえますので、住宅手当(家賃補助)には税金がかかりますが、この場合は関係なくなります。

 

こうした、福利厚生の一環としてのトランクルームの活用も検討の余地ありだと思います。

 

 

吉崎誠二
吉崎 誠二 yoshizaki seiji
不動産エコノミスト
不動産エコノミスト 社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長 早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。 立教大学大学院 博士前期課程修了。 ㈱船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者 、(株)ディーサイン不動産研究所 所長 を経て 現職。不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。   著書:「データで読み解く 賃貸住宅経営の極意」 (芙蓉書房出版社) 「大激変 2020年の住宅・不動産市場」(朝日新聞出版)「消費マンションを買う人、資産マンションを選べる人」(青春新書)等10冊。多数の媒体に連載を持つ 公式サイト http://yoshizakiseiji.com/
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